中山バイパス沿い、予防と丁寧な説明を心がけています岸歯科医院 スタッフ今釜です
もう4月。
お花見もなかなかできずにいましたが、晴れた日を狙って何とかできました。
今年は花粉が強いので注意が必要ですね。
さて今回は「口腔機能低下症」と「口腔機能発達不全症」
何のことかというと最近は口全体を診ていって、オーラルフレイル、つまり環境を整え低下しないよう予防に努めようということが重要視されてきています
岸歯科医院が当初から伝えていた「予防歯科」がより具体的な国としての方針のひとつになっています
今回3月に私が受けた講義の内容と感想を述べたいと思います
内容をざっくりいうと
口腔育成治療の3本柱
口腔機能
顎顔面口腔の成長発育
顎顔面口腔機能
これらは変化が目に見えてわかりにくいため、患者の協力が得られないことがある。
その為、患者にも見てわかる変化で理解してもらいながら治療をすすめていく事が大切。
そしてその機能の低下が目に見えてわかる機器がいくつかあり、その解説でした。
また変化は高齢者だけでなく子供にもある事、そして子供のうちから治していかないと
高齢者になってからさらに差がつく、ということまでわかってきています
特に子供の場合
食事が遅い、食事が早い
あまり噛んでいない、丸飲みしている
野菜を食べない
チョコレートやポテトチップス以外固形物を食べない。
しかし、親が口腔機能や咬合に影響するという認識を持っていない
口腔機能の定量的評価の信頼性を上げて定性的評価に近づけたい。
- 実践
実際の症例
4歳9ヶ月 男子
主訴 ・食事を食べたがらない、食べるのに時間がかかる
来院背景 食事に時間がかかり、肉・野菜・魚を食べたがらない。
好きな食べ物は白米・納豆・卵焼き
お菓子も甘いもの(グミ・チョコ)は食べるが、せんべいなどは食べ
ない。
食べにくそうに食べていることを心配して来院
診断 下顎骨が干渉により、左側に偏位。交叉咬合を呈しており、上顎歯列弓に変形が見られる
SkeletalⅢ Dental AgeⅡA の第一次成長終了期の男子症例
問題点と改善点
・下顎偏位
・交叉咬合
・左Bでの咬合干渉
・上顎歯列弓の変形
・咀嚼障害
治療
口腔機能訓練→口唇能閉鎖訓練(リップルトレーナー)
咀嚼訓練(グミ・クラッカー)
結果
結果からの考察
グミ・クラッカーでの咀嚼訓練から
軟らかい食塊をまとめる能力よりかみ砕く能力が低ければ叢生になりやすい
咀嚼能力が高くても普段から咬まないで飲み込んでいると叢生になりやすい
オープンバイトの傾向は咀嚼能力が低くなる
私の講義を受けた感想は・・・
保護者の方からよく「子供の歯並びが気になる」と相談を受ける事があり、話を聞くと
「食事に時間がかかる」、「肉と噛み切れないものをあまり食べない」
「好き嫌いが激しい」などのことを聞きます。
審美的に気になるので「矯正をする」のではなく、口腔機能発達不全症でQOLがどう変化していくのか、
何故小さいときから訓練していかないといけないのか、を食育を絡めてDHも心がけて話をしていかないといけないと感じました。
長くなりましたが、また一つ成長できたような気がしました。